林業経営のオープンソース化を目論む僕ですが
林業って本当、外から見ると謎の多い産業です。
そして、これが一番厄介かもしれませんが、正解が分からない。
(木を植えて収穫するまでが50年スパンな為、代替わりなどもあり一貫性を持つのが難しい)
(各林家や事業体、組合ごとに経営方法が違い、どれが正解というのは言えない)
でも、考えてみれば当たり前のこと。
僕はみそ汁は豆腐と油揚げがシンプルイズベストと思っていますが、
ある人は、ワカメは外せない、
またある人は、出汁は昆布一択、
その人たち各家庭の味があります。
【ある人は、200年の森を作り、役物を取る。道を作らなくてもヘリ集材でも採算は取れる。】
【ある人は、50年スパンで皆伐再造林する。道は10年に一度手入れする際に手直しする。】
どちらが正しいとかは僕には判断できないし、するつもりもありません。
ただ、年数が長いからこそ、林家が牧歌的な性格だからこそ、
「地域の○○さんはこういう思いで山を守った」
という、感覚論になりがちな森林経営の世界に、数字と手法を取材して
ある程度、再現可能な森林経営のレシピ集を公開していこうと思ってます。
そして、MET不動産部時代に思いましたが、
多くの人が一生で一度の大きな買い物、「住」なのに
他の「衣」とか「食」とかに比べて選択肢や知識や経験の幅が少ない「住」の世界。
まずは知って、興味を持って、自分の言葉で好きとか嫌いを伝えられるように、
自分も知りたいから、
森林経営に関することだけでなく、
他諸々のレシピも作成、開発する予定。
・製材レシピ
林業の次(丸太市場)の次の世界、製材の世界。(個人的にはここが一番職人の世界過ぎる)
一本の木から、どんな木取をする?
製品の売り先は、製品市場?それともお客さん?
乾燥はどの程度で、するのとしないのでどの程度値段が違う?
・構造レシピ(たぶん更新頻度は小)
これは正直かゆい所に手が届くサービス僕じゃなくても誰か作って欲しい。
木造で中大スパンを飛ばす場合、構造計算や使う金物で出来るできないがあるんですが、
地方の中小会社が作っていることが多く、小さな設計事務所だと、実際見に行って、構造や上部階の揺れなど確認したうえで使うということは時間や手間的に難しい。
だから、計算のし易い集成材や鉄骨になりがちなんですが、「この部材使えばこの程度のスパン飛ばせる」「見た目はこんな感じ」という事例を集める予定。
・木材レシピ
例えば
木に関わる人は木が好きな人が多いので、住宅や店舗などで
床:木 × 壁:木 × 天井:木
という空間ができやすい気がしていますが、木が悪いわけでなく、
床材:木 × 壁:塗装
床材:モルタル × 壁:杉板
床材の色味、壁の塗装色によって、空間の雰囲気はガラッと変わります。
そんな空間の成り立ちをレシピ化しようと思っている試み。
自分の山林経営に自信が持てなくなったとき、
次、どういう機械を導入しようか迷ったとき、
山って木材だけじゃなくてキャンプとかサバゲ―フィールドで場所だけ使うとかもありだよね?
キノコとか山菜って売れるの?どこで売ればいいの?
地域の無垢材を使って中大規模の木造建築を作りたいとき、
他の製材所って、どういう木取をするの?
芯去の柱のほうがいいの?
特にこれを取らなきゃいけない物がないけど製材するときって、柱、板どっち取る?
DIYで空間作りたい。
子供部屋は環境に優しい無垢材がいいけど杉板で床張るとどれくらい傷つくの?
そんな、自分やあなたの疑問にをレシピ化します。